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家庭教育で学んだ家庭の重要性
■以前に家庭教育について学んでいたことがありました。
幼児教育の重要性を学んだ時に、人間の脳には、150億の脳細胞があり、その一つ一つの脳細胞にはおよそ50本ほどの髄鞘と呼ばれるヒゲのようなものが出ていて、この配線の仕方で性格や感情、記憶力などが決まっていくと聞きました。
動物の赤ちゃんでは、生まれた時すでにある程度の配線ができあがっているのに比べ、人間の赤ちゃんには、この配線が全くなく、生まれてからの教育や環境によって配線が組まれていくのだそうです。
この脳細胞の配線工事は、3才までにその65%、10才までに95%が終わるといわれます。
人間の大脳には、本能をつかさどる旧皮質と知性をつかさどる新皮質がありますが、新生児期、乳児期に新皮質がほとんど働いていないのに対し、旧皮質は胎児期からかなり発達し働き続けているのだそうです。
赤ちゃんは、自分の周囲に起こっている事を無意識に無防備に無差別に旧皮質にどんどん記憶していくのだそうです。
もちろん脳の配線工事はどんどん進んでいきます。
脳の配線工事の65%が完了してしまう大切な時期の子どもの環境のほとんどがお母さん、そしてお父さんや家族という事になると思います。
お母さんの生活の善し悪しが子どもの性格や感情、記憶を左右してしまうと言っても過言ではないのです。
お母さんの幸せが子どもの幸せのカギを握っているんですね。
そして、お母さんの幸せカギを握っているのがお父さんなのですから、お父さんは責任重大です。
要するに、3才までの子ども環境がいかに大切か、その3才までの子ども環境の全てともいえるお母さんの幸せがいかに大切か、ということを書きたかったのです。
ブックスタートとは?
■そこで、「ブックスタート」が出てくるのです。「ブックスタート」という言葉をご存じでしょうか。
地域の保健センターでの0歳児健診に参加したら、全ての赤ちゃんと保護者を対象に赤ちゃんにおすすめの絵本などが入ったブックスタートパックをメッセージや説明を添えながら手渡します。
1992年にイギリスのバーミンガム市で始まったのだそうで、イギリスでは90パーセント以上の地域に広がっています。
日本では、2000年の「子ども読書年」に紹介されて以来各地に広がっているようです。
現在(2019)では、1050の市区町村で実施されているようです。
■作家の松居直氏は、NHKの人間講座「絵本のよろこび」の中で次のようの述べておられます。
「赤ちゃんの幸せはお母さんの幸にかかっていると言っても過言ではありません。
お母さんが幸せでなくて、赤ちゃんが幸せになれるわけがありません。
(中略)
母と子が挿絵を見つめ合い、お母さんが絵本から感じとった言葉をかけたり、呼んだりすると、母子の間に快い気持ちのかよいあいが生まれ、赤ちゃんが喜ぶことでお母さんも幸せになります。
つまり絵本に秘められた楽しさを母子が”わかちあう”、その体験をとおしてお母さんが子育ての楽しさを実感することが「ブックスタート」の趣旨なのです。」
■また、松居さんは、福音館書店の「絵本の与えかた」という冊子このようにも書かれています。
お父さんやお母さんが心のこもった豊かなことばで語りかけてこそ、子どもは豊かなことばと心を身につけることができるのです。
それでは、おかあさん、あなたは、人間としてどんなに豊かなことばを、自分のものとして持っていらっしゃいますか?
ご自分の中にすばらしいことばの世界をお持ちですか?
さあ、こうなると、私たちは自信たっぷりとはまいりません。
ところが、みなさんのすぐ身近に、宝物のような、美しい、楽しい、豊かな想像力を育ててくれることばの一杯つまった世界があります。
それが、絵本です。
「赤ちゃんとお母さんののためのお話会」
■ある子育てサークルからの依頼で「赤ちゃんとお母さんののためのお話会」をさせて頂きました。
当日は、次のようなプログラムでお話会をしました。
1、「パンツはけたよ!」・・・読み聞かせ(ささきようこ/ポプラ社)
2、「くまくんのおでかけ」・・・小道具
3、「いないいないばぁ」・・・布の絵本
4、「いくつ?」・・・布の絵本
5、「すうじのうた」・・・パネルシアター
6、「りんごがたべたいねずみくん」・・パネルシアター
7、「オレ、ダレ」・・・読み聞かせ(高畠純/講談社)
8、「だめよ、デイビット!」・・・読み聞かせ
9、「ラヴ・ユー・フォーエバー」・・・読み聞かせ
10、「2わのことり」・・・小道具
■赤ちゃんへのおすすめの本をご紹介したいと思います。