子どもたちへのプレゼントと最後のまとめ
①季節のテーブル
14日を過ぎたら、ひなまつりの飾りつけにかえます。毎年、色々なおひなさまを飾っています。おひなさまが描かれている絵手紙を飾ったこともありました。
折り紙のおひなさまやハマグリを布でくるんで作ったおひなさま。
お菓子の包装紙でと紙粘土で作ったおひなさまは、壁飾りにして各クラスにプレゼントしました。
②蔵書点検
毎年、3月は蔵書点検、図書整理のために図書室を閉館します。
・2月28日までに子ども達の個人貸し出し図書の返却完了
・2月25日にクラス貸し出し図書の回収
・3月は完全閉館
・授業などで必要な図書は、クラス貸し出し図書にて対応
熊本市の学校図書館にパソコンが導入されのは、2001年(平成13年)。
毎年、少しずつ改善がすすみ、蔵書点検は本のバーコードをバーコードリーダーでスキャンすればよくなりました。
学校によっては、年度始めの4月に行っているところもあるようですし、本の紛失の多い学校では年2回行っているというところもあるようです。
PTAの図書ボランティアの方達が手伝ってくださる学校が多いようで、職員作業で行う学校もあるようです。
1冊ずつバーコードをスキャンしていますので、書架の掃除と本のクリーニングも同時の行っていきます。
修理の必要な本や書架見出しの破損などもどんどん見つかります。
やっぱり、1年に1度の蔵書点検はとても大事ですね。
蔵書点検は、順調に進み予定通り11日(金)に終了、それとともに本のクリーニングも終わりました。
今後、図書台帳の整理、本の修理、傷んだ書架見出しの修理を行います。
担任の先生方にとっては、3学期の通知表、指導要録記入の時期ですので、一人一人の子ども達の3学期の読書記録(図書の貸し出し記録)を先生方のお渡ししました。
③最後の「図書館通信」「図書館だより」
「図書館だより」では、各学年別の多読児童を紹介します。
そして、その子どもには「わたし(ぼく)の1ばん」として
今年読んだ本の中から一番夢中になった1冊を紹介してもらいます。
この5年間、「図書館だより」には、子ども達の読書風景を、
「図書室でひろったちょっといい話」のコーナーで紹介してきました。
以前に家庭教育について学んでいた時に、子どもに限らず、
人は「認めて、ほめて、喜んで、期待」されることで成長できると学びました。
この5年間、子ども達に接する時に一番心がけてきたことでした。
「図書館通信」では、次のことを報告します。
・ 蔵書点検の結果について
・ 本校の図書館の蔵書構成について
・ 今年度と過去2年間の学年別個人貸し出し統計について
・ 今年度の図書館活動についての反省
④子どもたちへのプレゼント
毎年、一人一人に1年間の読書記録をファイルしてメッセージを添えて渡しています。
それと、『小さな物語』という短いお話をミニブックにしてプレゼントしています。
『小さな物語』
インドのある水汲み人足は二つの壷を持っていました。天秤棒の端にそれぞれの壷を下げ、首の後ろで天秤棒を左右にかけて、彼は水を運びます。その壷の一つにはひびが入っています。もう一つの完璧な壷が、小川からご主人様の家まで一滴の水もこぼさないのに、ひび割れ壷は人足が水をいっぱい入れてくれても、ご主人様の家に着く頃は、半分になっているのです。完璧な壷は、いつも自分を誇りに思っていました。何故なら、彼が作られたその本来の目的を、彼は常に達成する事が出来たからです。そして、ひび割れ壷はいつも自分を恥じていました。何故なら、彼は半分しか達成することが出来なかったからです。二年が過ぎ、すっかり惨めになっていたひび割れ壷は、ある日、川のほとりで水汲み人足に話しかけました。
「私は自分が恥ずかしい。そして、あなたにすまないと思っている。」
「何故そんな風に思うの?」
「何を恥じてるの?」水汲み人足は言いました。
「この二年間、私はこのひびのせいで、あなたのご主人様の家まで水を半分しか運べなかった。水が漏れてしまうから、あなたがどんなに努力をしても、その努力が報われることがない。私はそれが辛いんだ。」壷は言いました。
水汲み人足は、ひび割れ壷を気の毒に思い、そして言いました。「これからご主人様の家に帰る途中、道端に咲いてるきれいな花を見てごらん。」
天秤棒にぶら下げられて丘を登っていく時、ひび割れ壷はお日様に照らされ美しく咲き誇る道端の花に気づきました。花は本当に美しく、壷はちょっと元気になった気がしましたが、ご主人様の家につく頃には、また水を半分漏らしてしまった自分を恥じて、水汲み人足に謝りました。
すると彼は言ったのです。「道端の花に気付いたかい?花が君の側にしか咲いていないのに気づいたかい。僕は君からこぼれ落ちる水に気付いて、君が通る側に花の種をまいたんだ。そして、君は毎日、僕たちが小川から帰る時に水をまいてくれた。この二年間、僕はご主人様の食卓に花を欠かした事がない。君があるがままの君じゃなかったら、ご主人様はこの美しい花で家を飾ることは出来なかったんだよ。」(作者不詳 菅原裕子訳)
中学生になると、自分を客観的に第三者的に見るようになります。
また、理想に向かって努力する時期であり、認められたいという欲求が一番強くなる時期だといわれます。
自分の将来に対して、希望やあこがれで胸いっぱいの時期だからこそ、理想と現実のギャップに悩みもします。
人はそれぞれに顔が違うように、性格も能力違います。
一人一人にその人にしかできない役割があることを知り、かけがえのない自分に気づいて、自分らしく生きていってほいという願いをこめて手渡しています。
今年は、今、全校児童にプレゼントを準備しています。
1年間の「読書記録のファイル」と「ミニブック」と折り紙で作った「しおり」です。
ミニブックの内容は、4,5,6年生には『小さな物語』、1,2,3年生には、きりなしばなし『あれだけは にがて』(『おはなしおばさんの小道具』・藤田浩子編著より)です。
■最終週の仕事
・各クラスに貸し出ししていた図書の回収と返却処理
・6年生の卒業にともなう中学校への学校間移動処理
・新入生の利用者登録と図書カード作成
・来年度購入予定図書リスト作成
・本の修理、雑誌・新聞の整理、引き継ぎのための準備
■最近読んだ本とこれから読みたい本
<最近読んだ本>
<これからすぐに読みたい本>
■終わりに
この5年間は、新しい環境、初めての仕事に慣れようと、ただただ、毎日、目の前のことに一生懸命でした。
子どもたちとのふれあい、本との出合いから得た喜びや感動は、はかり知れない大きな財産になりました。
また、職場の先生方、励まし合ってきた司書仲間、お話の情報やアドバイスをくださったお話の会のみなさん・・、
司書として仕事をする中で、沢山の方から勇気や励ましを頂きました。
この5年間の全てに心から感謝したい気持ちです。
外を歩くと、どこからともなく甘い香りが、春風に運ばれてきます。
辺りを見回すと、沈丁花や梅が誇らしげに咲いています。
”光の春”といわれますが、やわらかで暖かい光は、生きとし生ける全てのものに喜びを与えてくれているようです。
旅立ちの春、出会いの春・・・。
私も、この5年間に感謝して、これからの始まる新しい生活、新しい出会いを大切にして、私らしい歩みを進めていきたいと思います。