1)道徳の指導要領から

■文部科学省の『特別の教科 道徳編』から、道徳科の目標を抜粋してみます。

第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる

とあります。さらに、その「多面的・多角的」に関して、次のような解説があります。

物事を多面的・多角的に考える指導のためには、物事を一面的に捉えるのではなく、児童自らが道徳的価値の理解を基に考え、様々な視点から物事を理解し、主体的に学習に取り組むことができるようにすることが大切である。

なお、例えば、発達の段階に応じて二つの概念が互いに矛盾、対立しているという二項対立の物事を取り扱うなど、物事を多面的・多角的に考えることができるよう指導上の工夫をすることも大切である。

わかるようで、わからないというような感じになっていないでしょうか。

 

2)多面的とは

■これを考えるに、手っ取り早いやり方は、直方体を準備することです。直方体は全部で6面あります。

ここではわかりやすくするために、目に見える3面を使って説明します。

多面的多面的

Aさんは、とても「責任感が強い」とします。どんな仕事も最後まで責任をもってやり遂げます。

しかし、その一方で、共同作業になると、手抜きをする人や仕事の遅い人を「もった頑張って」「急いで」と非難したくなりやすいです。

そんなことが重なると、「心が折れる」ということに繋がっていきやすいです、なぜなら、責任感があまりに強すぎるからです。

一人での仕事なら、よっぽどいいでしょう。でも、それでも、「しっかりしなきゃ」「期待に答えなきゃ」と感じがちで、自分を責めがちになりやすいのです。

つまり、Aさんは責任感が強いというよさが前面に出ているわけですが、可能性として、説明したような面もあるということです。

一面だけでは人は捉えられない。もちろん、これは人だけではありません。そして、3面だけではありません。6面以上もあるかもしれませんよね。

 

3)多角的とは

■多面は多くの面、多角は多くの角度という意味合いですよね。つまり、図解すると、こうです。

多角的多角的

この写真は、熊本市の下通と上通の間にある道路から熊本城を見上げたシーンです。

このシーンを見た時、見た人によって、同じ場面でも、違う見方が当然出てくるというものです。例えば、

A:観光客 熊本城が熊本地震から復活してきたなー
B:体の不自由な人 車椅子で、電停の乗り場に行けるだろうか
C:警察官 横断歩道でないところを渡っている人がいる
D:市役所職員 市電の安全運転ができているかな
E:教員 多くの人が市電を利用すれば、地球温暖化を防げるな

見る人が違えば、見る角度が違えば、同じ場面でも違う見方が可能になるということです。

 

4)多面的と多角的のまとめ

■まとめると、こうなります。

多面的 ある1つのモノ・ヒト・コトは、いくつかの面を同時に内包している。
多角的 ここに説明文を入力してください。ある1つのモノ・ヒト・コトを違った角度(違った立場)から見てみる

これは、道徳のみならず、いろいろな教科で、あるいはこれからの人生で必要な「生きる術」になるのではないでしょうか。