「ニャーゴ」を授業する!
1)作者と話者
■作者と話者の違いを、物語では押さえていくことが重要です。特に、4年の「ごんぎつね」でこの力は、発揮されます。
【発問】作者は誰ですか(→みやにしたつやさん)。
物語を語る人を話者といいますが、話者はどこにいますか(どこから見て、話を進めているのですか)。
空間です。空中に浮かんで、上から見て話を進めています。今風に言えば、「ドローン」というのが一番、ピーンとくるかもしれません。
■話者と作者の関係ですが、多くは話者=空間というパターンが多いのですが、「吾輩は猫である」は話者が猫に入っています。「ごんぎつね」では、話者がごんに入ったり、兵十に入ったりします。特に、後半のクライマックスシーンです。これに気づくか、気づかないかは、「天と地」ほどの読解力差となってしまいます。
2)食べる・食べられる?
■新出漢字・音読終了・めあて確認をしたら、「食べる・食べられる」というのを検討させてみましょう。
【発問】3びきのねずみたちは、猫から「食べられる」というのを知っていますか、知っていませんか。
二択二択の場合は、黒板を横に2分割します。上のような形で、板書していくといいです。
授業では、こう流します。
【指示】「知っている」と答えた人は、起立、こちらから意見を言ってもらいますので、同じだったら座ってください。
こういって、他人の意見をよく聞く訓練をしていきます。同様に、「知らない」派に意見を言わせます。そして、「質問や反論」を聞きます。板書では、色を変えて付け加えていきます。上の如く。
物理的に考える子どもも当然、出てきます。文章に忠実にというのが、国語の絶対条件です。猫がネズミを捕食するという話を、聞いていない理由を、文章から抜き出すことが、まずは重要案件です。
・「ちっとも聞かずに」「おしゃべりして」「きがつくと、みんないなくなってい」た、こんな3点が拾えます。
3匹は、猫から食べられるというのを知らなかった!
■「知らなかった」が大事な伏線となって、「ニャーゴ」でびっくりはするけれど、余裕噛ませて、「おじさんだれだあ」という表現につながっていっているわけです。
知っていたら、一目散で逃げまくります。それこそ、マンガ「トムとジェリー」の関係になってしまいます。
その後、「ニャーゴ」は大声か小声かの二択になっていきますよね。
■一方で、子どもたちは絵から「3匹は木の影に隠れているけど、こっそり聞いていた」というような意見が出ないとも限りません。そんな時は、こう言います。
絵は参考にしてもいいけど、図工ではなくて国語なので、文章から判断しましょう!
とね。
例えば、「ごんぎつね」、教科書会社によって、挿絵は違います。イラストレーターが違うからです。絵から判断すると、「作者」ではなくして、「絵師」の世界観にハマってしまいます。だから、文章に忠実にです。ただし、低学年は絵を「参考」にするというのはありだと思います。
■何が言いたいかと言うと、
いきなり「本丸」(ニャーゴ)を攻めてはいけない、まずは「麓」を見なければならない、つまり、第一場面をおろそかにしてはいけないということです。
「敵は本能寺にあり」というのはわかりますが、いきなり本能寺に行ってはいけないということです。
明智光秀は、いきなり信長を打ちませんでした(側近なのに)。やはり、回りを埋めていくわけです。そうすれば、本丸へと近づいていけます。
3)討論の世界へ!
■そして、そして、二択は討論となりますので(二択でなくても)、「対話」がいつも以上に重視されるところです。
・まずは、ノートに書く(全員参加、二択なので理由書けなくても、どちらか判断させる)
・書いたら、意思表示をさせる(どちら側か)
・意見を言わせる(理由を書いていない子には、自分と同じ考えだと思ったら、あるいは同じ意見を言われたら座る)――――他人の意見をよく「聞く」
・その上で、「質問」や「反論」を言わせる
「話す」と「聞く」が静かな中で行われないと、「対話」にはならない
■理由を書けなかった子は、同じ考えだと思った時、座ってノートに「赤」で書くという指導が必要です。
自分の意見なのか、他人(先生)の考えなのかを区別してノートをとらせることが重要です。
同時多発的な意見は制止してください。「意見は挙手してください」などと、たしなめないと、何を言っているのか、聞き取れませんよね。こんな歌があります。
「手を打てば はいと答える、鳥にげる、鯉は集まる 猿沢の池」
十人十色という歌(店の人は客に喜び、鳥はびっくりして逃げ、鯉は餌だと思って集まる)なのですが、聞くときに、こうなると、もはや崩壊ということになるわけですね。
そして発表は教師にではなく、皆の方を向いて発表し、かつ聞く側は目を発表者に向けるという学習訓練が超重要ですね。対話が重んじられているだけに!!
討論の仕方については、別のページをご覧ください。