討論とディベートのやり方
1)今の指導要領と相性がいい!
■今の指導要領の1つのポイントは、「対話」ですよね。討論の授業は、この「対話」とはとても相性がいいですよね。何より、論理力が養成されます。いろいろな授業で使わない手はありません。ただし、理系以外ですね。理系で討論をやっていたら、授業内容が終了しませんから。
■討論には、歴とした流れが存在します、なんてったって、授業界の黒帯級ですからね。
「一芸に秀でる者は多芸に通ず」と言います。試行錯誤を重ねながら、自分のものにしていきましょう。
例えば、次のような場面で多用できます。
・国語科だと、クライマックスの場所や主役は誰か等々です。
・社会科だと、「原爆は必要だったのか?」等々です。
・道徳科だと、「◯◯さんのとった対応は正しかったのか?」等々です。
私は、道徳科で鍛えて、他教科で本番さながらやっていました。というのも、道徳科は、自由な意見が言える、しかし、国語科だと文章に忠実にとか、社会科だと資料に忠実にということになるからです。
2)討論のやり方
■いくつか意見がある時は、2つに絞るのが妥当です。そうしないと、授業がぶれて、何をやっているのやら、わからなくなるからです。つまり、「二者択一」を問うわけです。
では、やり方をまとめます。
1)二者択一等々の発問を発する
2)二択を迫るか、意見をノートに書く(理由まではできない時も多い)。起立してAか、Bかをせまるといい(考えざるを得なくする)
3)座って、そう判断した理由を書かせる
4)もし、1つになった場合は、違う選択肢を教師が選ぶ(児童VS教師となる)
5)意見が多い場合は、多数決で2,3に絞る
6)少ない意見の方から発表していく(教師は少ない方に味方する)
7)教師によるまとめ
3)討論の実際場面
■前述しましたが、クライマックスや伏線の場所を問う(物語文) 意味段落(形式段落ではありません)の分け方を問う(説明文) どんな教科でも多用すると、いいです。例えば、生活科で、虫のある部分を拡大提示して、「何という虫の足でしょう」とやって、討論させるといいです。
意見には、番号や記号をふっておくと、授業がやりやすいです。
多い時の意見の絞り方は、「絶対これは違うというのはどれですか。」と問うて、多数決風に処理して削っていきます。
■もし、意見が1つしか出ない場合、教師が違う意見を出します。最終的に、2つにします。
「皆さんは、どちらですか。選んだ理由もノートに書きなさい」
その際、理由は気持ちや思い込みでやってはいけません。
・国語科:◯ページ◯行目の「~~」という文章でという一文を入れさせる(証拠)
・社会科:グラフのこの部分から(同様)
■判断しない子、考えない子が当然います。そんな時は、最低、A、Bのどちらかを書かせてください。理由なしでいいです。まずは、「選ぶ」という行為が必要です。そのためには、立たせて、選んだら座りないとやるといいです。選ばざるを得ないという状況を作ります。無理はさせないでくださいね。
理由を書いていない子には、こう助言します。「誰の意見に賛成する?」と。友達の考えを選ばせてください。そうやって、「参加」させていきます。
■A、Bの人数を聞き、少ない方の意見から始めます。
「Aを選んで理由が言える人、立ちなさい。同じ意見だったら座りなさい。少しでも違っていたら、立っておきなさい。」
出された意見のエッセンスを簡単に板書していきます。Bも同様にやります。もし、極端に意見が少ないか、人数的に偏りが生じた場合は、少ない側に先生は味方をしてください。「弱い者の味方だ!」と宣伝して、理由を嘘でもいいので、追加していってください。
■続いて質問や反論に移ります。
「今から質問や反論に入ります。私はA派です。Bの①に反論します。~~ではないですか?」
というような形で勧めていくといいです。
■最後に、教師の意見を述べればいいです。教師の意見がABにない時は、教師の考えCを示せばいいです。できれば、討論を始める前に正解はあった方が無難です。何のためにやってきたんだーとなりますからね。
喧嘩になりやすいシーンもありえます。よって、以下のことを念押しておきましょう。
意見の戦いであり、人の喧嘩ではないということを念押しておく必要が重要です。
■文系教科だと、その時間で終わらない場合は、私は次時へと伸ばしていました。そして、次時に言う場合は、ノートに書いた子のみと約束させていたことでした。
思いつきで言われても、授業が違った方向へと進みがちだからです。私は、自学でさせて、ノートに私の考えをコメントしていたことでした。
4)討論とディベートの違い
■最後に、討論とディベートの違いを書いておきます。
| 討論 | ディベート |
| ・自由意見で討論する ・2つに絞る ・以下、上記と同じ流れ |
・論題の設定「◯◯は□□である」 ・1-2班は賛成派、3-4班は反対派と教師が決めます。 ・正式なものは、勝敗を決めますが、授業では勝敗を決めないがいいかと思います。勝敗を決める(審判)のも、討論に参加しなかった子どもたち(5-6班)です。 |
■「ディベート甲子園」というのも、あっていますので、それらにも今後挑戦するといいですよね。
私が放送教育九州大会で行った公開授業のディベート論題はこうでした。
板書【論題】アメリカの原爆投下は、日本人の命を救った(エノラ・ゲイの運転手)
「賛成派」と「反対派」を便宜的に分けて(クラスを2分)、討論させます。自分が賛成派でも反対派になる場合があります。それがディベートなのですね。
ディベートよさとしては、違う意見でもそれなりに考えていくことで、メリットとデメリットの二面性が解読できるというよさがあります。
最後には、振り返りとして、自分の意見を必ず書かせるようにしていました。そうしないと、満腹になりません。
■学活としては、「掃除は必要である」賛成か、反対かというわけです。あるいは、「給食は必要である」「英語は必要である」等々です。
これを討論(ディベート)させることで、掃除や給食、英語の必要性が見えてくるというシステムですね。