1)松尾芭蕉の俳句より

■小学3年国語科(東京書籍)から俳句が登場します。

この教科書では、松尾芭蕉の次の句が登場です。

「閑さや岩にしみ入る蝉の声」

山形は、山寺(立石寺)で詠んだ俳句です。

教科書には、この句だけ、解説がないのですよね。だから、授業のしがいがあるというものです。

2)レトリック

■レトリック(言語技術)中心に授業することも可能です。例えば、まずは、視写をさせて問います。

この俳句を、五七五で区切ります。/の線を入れなさい。

ここで、区切りを入れて音読を3,4回します。

俳句には、季節を表す言葉、季語が入ります。この句では何という言葉で、季節はいつになりますか。ノートに書きなさい。

「蝉」もしくは「蝉の声」でしょうか。3年生なので、知っている蝉の鳴き声を発表させてもいいでしょう。オノマトペの学習になります。

「静けさや」の「や」ですが、この「や」と同じ意味は次のどれでしょうか。
1)セミ「や」トンボ  2)弓と「矢」  3)静か「だな」

感嘆の助詞「や」との、初顔合わせでしょうか。似たような表現を使って、作句するといいのではないでしょうか。

どうかとは思いますが、「冷たさや おいしいアイス なめてみた」

このようなことをやると、マスターできるかもしれません。

3)鑑賞

■次のような問いはいかがでしょうか。

【説明】松尾芭蕉は、江戸時代に江戸から出発して東北へ、そして関西から江戸へと一周してきました(『奥の細道』=当時は東北地方を奥と呼んでいました。若い頃この場所、立石寺に寝そべってきたことでした)。山形県の山寺というところで歌った歌です。
【発問】この歌は、結局、うるさいのですか、うるさくないのですか。ノートに書いて、そう考えた理由を書きなさい。

この発問で、対話させると、討論をさせると、面白くなるのかもしれません。ここでは、レトリックも重要ですが、感性を培っていくことも重要です。

感動があるから俳句をつくるのだと思います。感動が重要です。ちなみに、私はこう考えます。

確かに、蝉の声はうるさいのですが、「岩に染み入る」と言っていますので、ここは岩に吸収されて「静かになった」という風に解釈したことでした。山寺という位なので、山の頂上付近に、「詠んだ」という岩場がありました。その先にお寺がありました。景色を見ながら(絶景でした!)、エゾゼミ(最近は熊本でも鳴いている)が「ジーッ」と鳴いてはいるが、岩に吸い込まれていって、さほどうるさくはなく、感慨深いなーと感じたのではないでしょうか。

4)小林一茶の俳句より

■朝日(20260705)「日曜に想う」に、「一茶200年」(一茶没後199年が今年)ということで、いくつかの俳句が紹介してありました。

〈月花や四十九年のむだ歩き〉
〈痩蛙まけるな一茶是に有〉
〈是がまあつひの栖か雪五尺〉

長野県信濃町では、200回忌の記念行事が行われているそうです。

これを書いたコラムニストの鑑賞はこうでした。

「月だの花だの俳諧に熱中して放浪し、49年の人生をうかうかと過ごしてしまったぜチクショー」

コラムニストの「押し俳句」と鑑賞は、こうです。

 〈小便の身ぶるひ笑へきり〴〵す〉
「放尿の直後にブルブルッと来るあの現象を文学の高みへ持っていくとは・・・」

松尾芭蕉(1644-94)や与謝野蕪村(1716-84)とは違って、「花鳥風月にとれわれなかった」小林一茶(1763-1828)の俳句をこそ、もっと取り上げると、教室が盛り上がるのかもしれませんね。