1)磁石の引き付ける力の授業

■子どもたちは、磁石セット(市販)を持っていると仮定しての授業です。

【前フリ】右手に棒磁石と、左手にクリップを持っています。これを近づけていきます。どのくらいになると、「引き付ける力」を感じるでしょうか。やってみてご覧!

微妙に引き付ける力を感じることでしょう。すかさず、問います。

【発問】どれくらいまで近づけたら、力を感じますか。

人それぞれでしょう。めあて(実験目標)に入ります。

2)めあてと実験方法

■理科は手順がしっかりとしています。ここは、文系教科とは違うところです。

【めあて】磁石と鉄の距離が変わると、磁石の引き付ける力はどう変わるだろうか。

「どうやって実験しますか?」 先ほどだと、人によって感覚は違うし、どうすれば科学的になるでしょうか」なんて、セリフで中継ぎします。

定規で距離を測るという子がいたら、ほめましょう。「段ボール片を見せて、これをどうしようか」と問いましょう。

【実験方法】棒磁石と鉄クリップの間に、段ボールを挟み込みましょう。これで、何個のクリップが引き付けられるかで、「力」がわかりますよね。

次に手順を示します。これは、板書するとなると、その手間で子どもたちに空白の時間を作ってしまいます。よって、電子黒板で一発表示にしておきます。なお、図解は大事ですので、板書するか、電子黒板です。

実験図実験図

1)片方の手に棒磁石を持ち、もう一方に段ボール片を持ち、クリップの束につける
2)何個、引き付けられたかを、理科ノートの表に書き込む
3)3回繰り返す(何のため?→実験に成功と失敗があるから、複数回繰り返すのが理科の掟です!・実験の再現性+確からさ)
4)(次はどうする?と中継ぎ)段ボール片を2つ折りにして、同様の実験を繰り返す。(2枚もたせると、実験がいい加減になりやすい!)
5)(次はどうする?と中継ぎ)同じ段ボールを3つ折りにして、同様の実験を繰り返す。

ここまで「手は膝」状態です。キットを触った子は、実験開始後、数分間だけ取り上げておきます。そうでもしないと、話を聞かずに、眼の前のキットに注意がいってしまいます。

3)予想と実験

■次に予想です。理科ノート(市販)を持っていると仮定します。ない時は、ワークシートもしくは、ノート整理をしっかりと習慣付けておくことが重要です。理科では、外せない過程です。

【実験の予想】理科ノートの表の左側に、予想のクリップ個数を書きなさい。右側に結果を赤で書いていくようにします。

「実験開始」という段階になってから、教師は、結果記録表を板書します。電子黒板表示では、タイマーにしたり、別画面を見せたりして、結果が一覧表示されません(画面から消えます)。

理科(算数科も)は、「見える化」が大事です。

時間を計測しておきましょう。10分以内でやるとかです。早く終わった子は、遅い子の支援に行かせるといいです。

【実験の結果】(代表の児童を指名して)3回、全ての結果を上から順に述べてください。

当然、「僕は、私は違う」という意見が必ず出ます。複数人を指名(日頃、発表しない子)して、記録を横に付け足していくといいです。色を変えると、同じ子の意見というのがわかるでしょう。

【実験結果】(三者三様でしょうが)大まかな傾向はわかりますよね。この結果をノートにまとめなさい。

例えば、こんなことが書いてあればいいです。

・段ボールが2つ折り、3つ折りになるに従って、クリップの個数が減っていっている。つまり、引き付ける力が弱まっている。

発表させて、共有化していきます。

4)まとめ

■このあと、まとめに入ります。ここは、自然の仕組み(自然の法則)をまとめていくことが大事です。こんな問いを発していきましょう。

【発問】磁石とクリップの間を段ボールで挟み込みました。段ボールは何を意味していますか。(距離) クリップの個数は何を意味していますか。(磁石の引き付ける力)

【まとめ】磁石と鉄は、距離が近ければ近いほど、引き付ける力が強く、遠ければ弱まる。

特に、重要なのは、上の発問です。常識で問える問題が3.4年生の理科です。だから、学力テスト対応にしておくためには、実験の意味、用具の意味を理解させておく必要があります。5・6年では、常識では答えられない問題となっていきます。

まとめに関しては、穴埋めにしてもいいですよね。

5)半導体へのつながり

■この磁石の学習は、今までの理科以上に重要な学習です。なぜでしょうか。

それは、磁石が半導体の原材料や深い関連になっているからです。

例えば、ガリウム(GA)というのがあるらしいです。これはある一定の低温状態になると、磁石の性質を帯びなくなるそうで、このような希少鉱物の性質を利用して、高温による磁性や電気のオンオフを制御する「半導体」というものが作られているとのことです。

将来、半導体産業に多くの子が関与するかもしれません、特に熊本県。次世代の子どもたちを育成するという気持ちで、理科の授業をやっていくことが、これまで以上に求められているのかもしれません。

■理科の授業をまとめると、こうです。

・(実験や結果の)見える化 ・仕組み化(目標から結果までの一連のパターン)

これらを意識して、授業していくことが大事です。